|
イエティ捜索隊2008 |
| 2種類のイエティ |
|
イエティと言われる何かが存在することは確かである.ただその実態を確認することができていない。 イエティの正体についてはこれまでいろいろと言われてきたが、明確な結論も出ないまま、現在はふたつの見方に分かれている。 ひとつはイエティ=ヒグマ説である。つまり、イエティ不在論である。 それに対し、目撃情報による形態や足跡の観察等から推測し、動物学的に新種または未知の種としてのイエティが実在するとの説である。 イエティの正体に関しては、1954年、英国デイリーメール雪男探検隊は次のように推測している。 要約すると、イエティといわれる動物は2種類いる。ひとつはズウティといわれている、大型のもので、その実体はチベット産の赤熊に間違いない。問題はミイティといわれる小型のイエティである。これはヒトを連想する形態の獣であり、シェルパが通常イエティというときは、このミイティのことであると指摘している。ミイティの実体も不明であるが、クマではないようである。 このように別種の動物がイエティという同義語で通用していると考えられる。 なぜこんなことになったのか、その原因は次のように推測される。 チベットではヒグマの一種をイエティと称していることが確認されている。そして古くからチベットとの交易が盛んなシェルパ族が同様の考え方をしたとしても不思議ではない。それを裏付ける例として、1959年12月から60年春にかけてクーンブ地域に入った日本雪男学術探検隊(小川隊)及び1970年代に2度にわたるイエティ捜索を行なった谷口隊のもとに、チベットから持ち込んだというイエティの毛皮なるものの売り込みがあった。しかし、それは明らかにヒグマの毛皮であったため、両隊とも購入することはなかった。売付けに失敗したこの売人もおそらく騙すつもりではなかったのだ。チベットではヒグマはイエティなのである。 何をイエティと信じようが自由だが、それにしてもシェルパが畏怖するイエティも、チベットでは狩猟の対象であること、しかもその毛皮をネパールに持ち込み、一儲けしようとするシェルパがいる。つまりこのチベット産イエティは、彼ら(シェルパ)の恐れるイエティではないことになる。 余談ではあるが、同類と思われる毛皮は日本にも持ち込まれている。東京在住の0氏が、イエティの毛皮としてチベットより入手したもので、現在も剥製として保管されている。現地では「テモ」と呼ばれているらしいが、形態はクマそのものである。 このようにイエティ=ヒグマ説は一面的には正しいといえる。しかし、それだけのことであれば、いつまでも謎の動物といわれ続けるはずがなく、やはりもう一種類のクマではないイエティ(ミイティ)のことを考えなければならない。 シェルパの故郷クーンブ地域は、動物地理学的にヒグマは分布していないとされている。これは「イエティの毛皮」がすべてチベット産であることでも裏付けられる。仮にイエティの実体がヒグマであるとしたら、クーンブ地域にはイエティは存在しないことになる。当然、目撃することもないはずである。しかし、それでもなおイエティの目撃が続いている。ヒグマでないとしたらいったい何を見たのであろうか。 クーンブ地方でも比較的低所にはヒマラヤグマは生息している。しかし、シェルパはこのクマを見慣れており、これをイエティと見誤ることは考えられない。また、クマ類の多くは真冬の時期には冬眠しているはずである。だが、前出のデイリーメール隊は、冬期の高所地帯で小型のイエティと思われる多くの足跡を発見している。この隊は動物学、生物学、狩猟家などの専門家で構成されており、彼らがクマの足跡ではないと判断しているのである。 イエティらしき獣の目撃はクーンブ地域に限らず、ヒマラヤ山脈の南側各地で起きている。目撃者は現地の放牧人や漁師、それに登山者など様々であるが、彼らはクマがどんなものかくらいは当然知っている。これらすべての人がクマをイエティと見間違ったとは信じられないのである。 ●我々の捜索地域である、ダウラギリW峰南面におけるイエティ現象について この地では1970年代以降、イエティらしき不可解な獣との遭遇や目撃が続いている。不確かな事例は除外しても4例は信憑性も高く、具体的な観察がされている。それは我々にとって未知の動物と思われる。また、足跡についてはさらに多くの観察例がある。これは入域者の少ないエリアだけに発見率としては非常に高いといえる。最近では、2003年の捜索活動において南東稜に3体の人型シルエットを望見し、翌朝、その現場に多数の足跡を確認した。 これにより、これまでいわゆるイエティのものといわれながらも、クマあるいはユキヒョウの可能性があるとされた足跡であるが、その足跡を残した動物の姿は類人的形態をしていることが確認された。 また、目撃した動物の形態、出没地点の環境、足跡の形、サイズ、歩行型などの特徴をこの地に生息するヒマラヤグマ、ラングール猿などの生態と照合してみれば、目撃した動物がクマやサルの類ではないことは明らかである。 ヒトを連想するシルエット、おそらく2足歩行をしているこの動物を現地ではバン・マンチェ(森の人)と呼び、クマ(バアル)とはっきり区別している。 この動物こそシェルパのいう小型のイエティであると考えている。 |