イエティ伝説

シェルパ社会で描かれるイエティ
 イエティはネパールのサガルマータ(エベレスト)山麓クーンブ地方に住むシェルパ族の言葉です。"Yeti" の "Yah" は岩を意味し、 "Teh" は動物を意味します。

 シェルパ社会では、イエティに関する多くの民話がありますが、彼らはそれについてはあまり話そうとはしません。

 しかし、登山家が報告したいくつかの奇妙な出来事があります。いくつかの学術調査隊が、雪男を発見しようとしました。しかしながら、その存在はいまだに証明されていません。エリック・シプトン、フランク・スマイスおよびジョン・ハントのような有名な登山家のうちの数人は、人間のような大きな足あとを発見しました。

 シェルパ族によって伝えられた話によると、1974年、ヤクに草を食わせていたシェルパ族の少女が、イエティに遭遇しました。少女は村に戻って村人に話すと、数頭のヤクが首を折られて殺されていたのが発見されました。村には、猿に似た動物がヤクの角をつかんで首をねじったと、少女の話が言い伝えられています。この地域では多くの人々が、イエティが存在することをまだ信じています。イエティの存在の話が単なる伝説なのか、事実なのか、将来もそれが伝えられていくでしょう。
 これはトリブバン大学地理学教授のクマール・パンディー氏によって記録された民話です。

 

 サガルマータの山麓、クーンブ地方にジャガイモで有名なアルガオンという村がありました。イエティは昼間は隠れていて夜になると出没し、村人は恐怖に震えていました。人々は、畑で一日中働き、夕方遅くに村へ戻る毎日でした。

 イエティは、村人が働くのを見ていました。なぜ村人は、畑に出るのか? 食べものがあるに違いない!

 村人が家へ戻った後、イエティは村人がやっている仕事をマネするためによくその畑に出てみました。結局、村人の仕事をマネることは畑を荒らすだけでした。

 ある日、村人はイエティの出没について議論し、イエティを殺す計画を考えました。

 シェルパの若者が集まり、いくつかの瓶に水を張りました。また、イエティの大好物のチャン(地酒)を入れた瓶に毒を加え、鉄の鋭い武器も準備しました。

 シェルパの若者は無害な木製の武器を持って、互いにたたき合って水を飲みました。倒れて死んだふりをしたり、あばれまわりました。イエティはそれを遠くから見ていました。

 夜が更けると、イエティは村人のマネをして、鉄の鋭い武器で叩き合い、毒の入ったチャンを飲みました。多くのイエティは死にましたが、一頭のメスのイエティは妊娠していたため畑に出ることができず生き残りました。

 クーンブ村のシェルパは、この妊娠したイエティの子孫が今も生き続けていると考えています。

(Image Nepal, Vol. 13, No. 7, Sept. 1994)